東芝のHD DVD撤退は、市場の変化を冷静に直視し、ブルーレイに勝ち目がないという判断の結果の苦渋の決断でした。
Blu-ray Disc(ブルーレイディスク、BD)は、ソニー・松下電器産業・シャープなどが「Blu-ray Disc Association」で策定した青紫色半導体レーザーを使用する新世代光ディスク規格です。
大きさは、直径12cm、厚さ1.2mmで、CD DVDと共通ですが、記録・再生方式に関しては、互換性はないが、従来のCDやDVDも使用できる製品として開発が進められました。
BDは、1枚のディスクの多層化による200GB程度の大容量化が可能で、ソニーなどは「光ディスクの最終形態」というフレーズで商品展開を行いました。なお、名称を「Blue-ray Disc」としなかった理由は、「青色光で読み取るディスク」を意味する一般名詞と解釈されるので、商標として使用できないからでした。
DVDとブルーレイの違いについては、BDの記憶容量は、DVDの約10倍、転送速度も約5倍で、DVDでは録画できなかった高精細なハイビジョン映像を4時間も録画することができます。BDには、データの書き換えが行いやすい方式が採用されており、フロッピーディスクやUSBメモリと同じように、自由に追加の書き込みや書き換えなどができます。また、カートリッジに入っているので、安全性も増していると思われます。
東芝の西田厚聰社長は、2008年2月19日、3月末をめどにHD DVD事業から撤退することを正式発表しました。「わずかな遅れが大きな損失につながりかねない」という市場のスピードが、次世代DVD競争の早期決着を促しました。これにより、新世代DVDはBD方式が業界標準となり、規格争いは収束することになります。
日米でBDがシェアの7〜8割を占めていましたが、HDとBDの両方式を支持してきた米映画大手ワーナー・ブラザーズは、1月4日、HD方式の支持を撤回し、新世代DVDソフトはBD方式に一本化すると表明したので、BD陣営が、米映画大手6社のうち、4社から支持を取り付けたところでした。また、2月に入って、米家電小売り大手ベスト・バイや小売世界最大手の米ウォルマート・ストアーズ、米オンラインDVDレンタル大手ネットフリックスがBD支持を相次いで表明しました。東芝が初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を発売したのは2006年3月31日なので、「次世代DVD戦争」は2年足らずで決着することになり、約10年間にわたって国内メーカーを二分したVHS対ベータマックスの争いに比べ、かなりのスピード決着でした。これまでに、HD DVDプレーヤー(再生専用機)日本で約1万台、海外を含めて約70万台が販売されました。テレビ放送を録画できるレコーダーは日本で約2万台販売され、パソコン用HD DVDドライブは日本で約2万台、海外を含め約30万台を販売しました。これらの補修用部品は製造終了後8年間は保有してサポートするとしています。
ハードディスクドライブの主要な製造企業、シーゲイト・テクノロジー(Seagate Technology LLC、NYSE:STX)の最高経営責任者(CEO)であるBill Watkins氏は、「Blu-rayが競争に勝利したと言われているが、それは問題ではない。本当の争いは物的流通と電子的配信との間で行われており、Blu-rayもHD DVDもこの争いでは敗者だ。この争いでは、フラッシュメモリとハードディスクが同じ陣営にいる。決着はすでについており、物的流通の陣営は敗北した」と語りました。
というのは、まだBlu-rayやHD DVDのプレーヤーは、一般ユーザーに普及していないので、一般ユーザーが購入し始めるまでには、テクノロジー企業が洗練されたオンデマンドサービスやIPTVを販売していると思われるからです。実際、シャープや、松下電器産業、韓国のサムスン電子は、テレビを使ってネットからアイテムや動画を見ることを可能にするコンテンツアライアンスを展開しています。
また、ハリウッドには家庭への大々的なコンテンツ配信に乗りだすしか選択肢はないそうです。近年、人々は家から出ることがどんどん少なくなっているので、映画会社がコンテンツを家庭に配信しない場合は、インターネットで見つかるものを視聴するでしょう。
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